睡眠薬のトリアゾラムと胃腸薬のシメチジンは薬の相互作用を引き起こしことが知られています。
睡眠薬のトリアゾラムと胃腸薬のシメチジンを一緒に服用すると、トリアゾラムの効果が強くなりすぎてめまいや幻覚、幻聴、運動失調、深い睡眠状態の嗜眠などを引き起こす危険性があります。
胃炎や胃潰瘍の治療薬シメジチンは、胃酸の分泌を抑える働きがあります。以前のシメジチンは医師の処方箋が必要な医療用医薬品でしたが、医療医薬品の中でも比較的安全に使用できると判断された治療薬は市販薬として販売されるようになりました。この仕組みをスイッチOTCといい、シメジチンも比較的安全と判断されて治療薬です。
シメジチンを含んだ市販の治療薬には、胃酸過多が原因となる胸やけや胃もたれなどに効果のある胃腸薬があります。
トリアゾラムは肝臓の薬物代謝酵素によって分解、解毒され体外に排出されますが、このトリアゾラムを分解、解毒する薬物代謝酵素とシメジチンは結びつく性質があります。そのため、トリアゾラムを分解、解毒する働きが弱くなり血液中にいつまでもトリアゾラムが残るために中毒症状を引き起こします。
このような中毒症状を起こさないためにも、睡眠薬のトリアゾラムの使用量を減らしたり、胃腸薬を別の薬に変える必要があります。また、睡眠薬の中にはトリアゾラムを代謝する薬物代謝酵素と結びつかない睡眠薬もあるのでそちらの薬に変えることもひとつの方法です。
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